枕返し(まくらがえし)
夜中、枕元にやってきて、枕をひっくり返す妖怪。
江戸時代の妖怪画集「画図百鬼夜行」には、小さな仁王のような姿で描かれているが、子供や女性等の幽霊、タヌキ等、その容姿や正体は各地伝承により様々である。
また、枕を返すという行為も、単なる悪戯であったり、死へと誘うためであったりと伝承により意味合いが違う。
昔の日本で、枕は生と死の境界線や別世界(夢)へと誘う特別なものと考えられていたらしく、枕を返すという行為も、肉体と魂を切り離し、死へと誘う行為であったり、生と死の世界の秩序を逆転させる等、とても不吉なことだと考えられていたそうです。
眠りという無防備な状態で、幽霊や妖怪達が存在する世界の、理解できない法則が突然わが身に降りかかってくるかもしれない怖さ。
そしてその意図も分からないまま死へと誘われてしまう怖さ。
例えばそれは、愛情だったりすることもあるのかもしれません。
合間 太郎
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